サッチャリズムに関する一考察 (1)

書誌事項

タイトル別名
  • サッチャリズム ニ カンスル イチ コウサツ(1)
  • A study on Thatcherism (1)

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説明

本稿の目的は、イギリスのユニークな政治家マーガレット ・ サッチャーの政治手法やものの考え方を表すサッチャリズムについて分析し、サッチャリズムは何に支えられていたのか、また、サッチャリズムは後世に何を残したのかを検討することにある。  なお、本稿の構成は、Ⅰ. サッチャリズムの内容 Ⅱ. サッチャリズムを支えたもの Ⅲ. サッチャリズムの光と影となっているが、紙幅の関係上、Ⅱ. Ⅲ. は次稿で扱う予定である。 Ⅰ. サッチャリズムの要約  1. サッチャリズムについては、さまざまな定義があること。  2. コンセンサス政治の打破のために、経済政策としてはケインズ主義に見切りをつけ、フリードマン流のマネタリズムを導入してインフレ抑制に成功し、さらにサプライサイド経済学で小さい政府を目指したこと。また左翼思想に染まった労働組合、地方自治体に対しては対決姿勢を鮮明にしてこれらとの戦いに勝利したこと。  3. ポピュラー・キャピタリズムの国を目指して、国有企業の民営化や公営住宅の払い下げを実施したこと。  4. 労働党政権の置きみやげであるさまざまな規制の緩和や自由化に果敢に取り組んだこと。とくに、 「ビッグ・バン」 は大きな意味を持つこと。  5. 左翼に支配された教育現場の 「正常化」 に注力したこと。また大学に対しては、実学志向を鮮明にしたこと。  6. 外交・安全保障政策については、反共産主義、アメリカとの特別な関係、バランス・オブ・パワー、EC との間合いの取り方などに特徴があること。

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