内示情報を用いた生産計画システムの分類と適用

書誌事項

タイトル別名
  • Classification and Application of Mass Customization Production Planning and Management System by Advance Demand Information
  • ナイジ ジョウホウ オ モチイタ セイサン ケイカク システム ノ ブンルイ ト テキヨウ

この論文をさがす

抄録

生産内示は,日本の製造業界の伝統的な情報共有のやり方であり,問題解決志向の協調的な企業関連携,すなわち日本独特の知的なサプライチェーンマネジメントである。サプライチェーンの下流(最終顧客側)の企業が,上流の企業に対して,生産開始日の一定期間前に「注文情報(内示という)」 を提示し,生産開始直前には確定注文情報」が伝達される仕組みである。生産内示により,上流企業は,多様化する顧客のニーズに柔軟に応え,また短いリードタイムで納入できる供給の仕組みを実現し,一方,下流企業から見れば,確定注文情報が伝達される以前から,原材料,部品の購買・生産準備に着手することができた。企業は,膨大な製品在庫を保有することなく,購買コストを削減し,綱渡り的な納期厳守を減らし,生産効率アップを図ってきた。このような多品種・短納期環境のもとで,内示と大きく異なる確定注文に対して,部品供給業者が,内示量,在庫充当度合い,生産能力等を考慮して,生産計画を立てるための論理が必要になる。内示情報の提供を受ける企業サイド(部品供給業者など)における内示情報を活用する環境は,多岐にわたり,それぞれの環境に対応した効果的な活用法が不可欠である。そこで,内示情報を活用する生産環境の分類とそれぞれの環境に対する生産計画の立て方の適用法を明らかにする。まず,内示の基本属性,内示変動メカニズムを明らかにする。次に2つのリードタイムの相対関係と生産能力不足状況の有無により,内示情報が活用できる生産環境に対して5つに分類する。最後に,代表的な生産計画タイプである「生産能力制約による見込み生産」に対応する生産計画モテツレの定式化,解法,有効性を示す。

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ