学習者はどのように日本語を学ぶのか : ポストコロナ時代における日本語運用データの収集法

NINJAL オープンアクセス

書誌事項

タイトル別名
  • How learners learn Japanese: The method for collecting data on Japanese language usage in the post-corona era

説明

日本語教育の目的が学習者による日本語運用力の獲得にあり、日本語教育学の目的がその獲得を支援する日本語習得支援研究であると考えると、日本語教育学では、学習者が日本語という言語をどのように身につけていくのか、その習得過程を記述・分析する基礎資料、すなわち学習者コーパスの構築が必要になる。ところが、新型コロナウィルス感染症の世界的流行により、JFL 環境で学ぶ海外の学習者のもとを訪れての現地調査も、JSL 環境で学ぶ国内の留学生との対面調査も困難になってしまった。そこで、本稿では、現地調査や対面調査を行うかわりに、オンライン環境を活用して収集する作文コーパス、会話コーパス、ゼミ談話コーパスの収集法を紹介した。たとえコロナが終息したとしても、パンデミックの状況下で急速に発展したオンライン・コミュニケーションが今後衰退化することは考えにくく、むしろポストコロナ時代にあっては、オンライン・コミュニケーションにおける学習者の日本語運用のデータ蓄積が重要になる。その意味でも、本稿で示したようなオンライン環境を活用した調査法の試行錯誤と研究者間での情報共有が、日本語教育学の発展のカギとなると見込まれる。

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