1950年代の地方鉄道休廃止とその要因 : 高度経済成長期前の仙台鉄道休廃止を事例に

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  • Relationship between discontinuinig and abolishing a railway and regions on the Sendai Railway before high economic growth occurred in Japan in the 1950s

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抄録

Departmental Bulletin Paper

本稿の課題は、高度経済成長期前に約40kmの休廃止を実施した仙台鉄道を事例に、大規模な鉄軌道休廃止と沿線地域との関係を考察することにある。仙台鉄道の休廃止は、通説では台風による罹災が原因と考えられてきたが、本稿では国立公文書館所蔵の旧運輸(鉄道)省文書を用いて再考した。仙台鉄道の経営者は、戦前から狭軌のために速度や居住性に劣る鉄道に見切りをつけ、バス転換に活路を見出し、1947年のカスリーン台風以来の度重なる風水害を契機に鉄道経営を断念してバス転換に楫を切ったことが明らかとなった。特に戦後の鉄道労働者の権利意識が高まり、仙台鉄道の経営者は組合活動の温床の鉄道現場を切り捨てる好機として1950年8月に罹災による鉄道の大部分の休止を断行した。一方バス部で経営者に同調する第二組合が組織された。そして経営者は鉄道の部分休止によって沿線地域の鉄道利用意欲を減退させたうえで、5年後に残りの区間の廃止を実施した。

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