18世紀および19世紀前半におけるイギリス製紙業の原料問題―トマス=グリーヴズと芸術・工業・商業奨励協会を中心に―

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タイトル別名
  • The Shortage of Raw Materials for the English Paper Industry in the Eighteenth and Nineteenth Centuries
  • 18セイキ オヨビ 19セイキ ゼンハン ニ オケル イギリス セイシギョウ ノ ゲンリョウ モンダイ トマス グリーヴズ ト ゲイジュツ コウギョウ ショウギョウ ショウレイ キョウカイ オ チュウシン ニ

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抄録

[要約]17世紀初期に本格的に展開し始めたイギリス製紙業は19世紀中頃まで「絶えず増えつづけるぼろ布不足の問題」に悩まされ続けていた。この原料不足の隘路を突き破らなければ,製紙業は近代的工業に脱皮できなかった。そこで18世紀以来,その原料危機に対応して,製紙業の伝統的な原料であったリンネル(麻)や木綿のぼろ布以外の動植物性の物質を原料とする紙の製造方法が試みられた。これらの実験の報告や製紙業に対する具体的な提案を当時刊行された小冊子や雑誌を資料にして明らかにしたい。結局,リンネルや木綿のぼろ布以外の紙の新原料の発見は19世紀後半に成就されるのであるが,その経過をとおして既存の原料から木材パルプなどの新原料への転換がイギリス産業革命を構成する重要な要因であった事実を明確にする。

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