アンジオテンシンⅡ受容体拮抗薬,カルシウム拮抗薬とサイアザイド系利尿薬あるいはミネラルコルチコイド受容体拮抗薬の併用による治療効果の比較
書誌事項
- タイトル別名
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- Therapeutic Effects of Adding Thiazide Diuretic or Mineral Corticoid Receptor Antagonist in Hypertensive Patients Given ARB and Calcium Channel Blocker
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説明
アンジオテンシンⅡ受容体拮抗薬とカルシウム拮抗薬の併用で目標血圧に達しなかった高血圧患者13例を対象に,利尿薬としてサイアザイド系利尿薬(TZD)あるいはミネラルコルチコイド受容体遮断薬(MRA)の追加による治療効果を比較検討した.ARBとCCBに加え,トリクロルメチアジド(TCM)1-2 mgまたはエサキセノン(ESX)1.25-2.5 mgをそれぞれ12-16週間投与する無作為クロスオーバー試験を実施した.診察室血圧はTCM期(131/73 mmHg)とESX期(129/72 mmHg)で同等であり,朝と夜の家庭血圧もTCM期とESX期で同等であった.血液検査では,TCMにより血清Naが有意に減少(-1.2 mEq/L,p=0.013)するとともに尿酸が増加し(+1.1 mg/dL,p<0.001),ESXでは血清Kがわずかに増加した(+0.2 mEq/L,p=0.042).TCM,ESXともに推算GFRは有意に低下し(66, 67 vs 72 mL/min/1.73 m2, p=0.023, 0.047),ESXでは尿中のアルブミン(81 vs 148 mg/gクレアチニン,p=0.035)と肝型脂肪酸結合蛋白が有意に低下した.血中脳性ナトリウム利尿ペプチドと高感度CRPは,TCM期とESX期でそれぞれ有意に低下した.酸化LDLや活性酸素代謝物などの酸化ストレスの指標は,TCMとESXのいずれにも影響を受けなかった.降圧薬の併用療法において,MRAであるESXはTZDと同等の血圧降下作用を有し,血清Kの上昇に注意が必要であるが,血清尿酸値への影響は少なく,腎保護の点で有利であると考えられる.
収録刊行物
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- Dokkyo Journal of Medical Sciences
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Dokkyo Journal of Medical Sciences 50 (1), 62-71, 2023-07-25
獨協医学会
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キーワード
詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1050860409880909568
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- NII書誌ID
- AA00629581
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- ISSN
- 03855023
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- 本文言語コード
- ja
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- 資料種別
- journal article
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- データソース種別
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- IRDB