サービス・エコシステムに関するシステマティック・レビュー

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タイトル別名
  • サービス・エコシステム ニ カンスル システマティック・レビュー
  • A Systematic Review of Service Ecosystem

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抄録

本稿の目的はサービス・マーケティング研究において重要な概念となっているサービス・エコシステムに関する包括的な先行研究レビューによってその研究動向を探り,主要な論点を整理することである。本稿ではサービス・エコシステム研究に関して以下のリサーチクエスチョン(RQ)を設定した。RQ1:どのような研究テーマが提案され,議論がなされているのか。RQ2:将来的にどのような研究領域やテーマが有望であるのか。Castañer and Oliveira(2020)はレビューする論文を検索するにあたって,ビジネス研究において最も頻繁に使用される電子データベースであるEBSCO Host Business Source を使用している。本稿もEBSCO Host Business Source Premiere から抽出されたサービス・エコシステムに関する63 論文の抄録(abstract)をテキストマイニングツール「KH Coder」と「MTMineR」で分析した。使用される言語は英語に絞っている。分析結果を総合的に整理し,サービス・エコシステム研究の主要な論点がアクターと呼ばれる企業・組織とステークホルダーとの価値共創を目的とした関係のマネジメントを動態的に明らかにすることであることを示し,健康やヘルスケア,公共サービスが研究の対象産業として注目されていることを示した。今後はサービス・マーケティングにおける価値共創の成果をデータで示す定量研究や専門家や専門的な機関によるステークホルダーとの価値共創を実現するためのケイパビリティ(能力)構築に着目した研究領域が有望であることを示唆した。

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