従来端末との混在を許容したLoRaWANのスケジューリング手法の一検討

抄録

センサを備えた機器をあらゆる場所に設置し,多数の物から膨大なデータを収集し活用する技術 として,IoT (Internet of Things) の利用が進んでいる.IoT 向けの通信技術として,LPWA (Low Power Wide Area) が注目されており,その中でも本研究では LoRaWAN を対象とする.LoRaWAN にはネットワーク中の端末数の増加に伴い,複数の端末が同時に送信してしまうことで引き起こされるフレームの衝突が増加するという問題がある.フレームの衝突は,通信の信頼性の低下や再送処理による消費電力の増 大を引き起こすため発生を抑えることが望ましい.既存研究では,この問題を解決するために端末の送信タイミングをスケジュールする手法が提案されているが,これらの手法はすべての端末が新手法に対応し ている必要があるため,新手法への移行が難しい.そこで本論文では,MAC プロトコルを拡張し提案手法に対応していない従来端末が混在することを許容した動的な LoRaWAN のスケジューリンング手法を 提案する.具体的には,従来端末の送信タイミングを推定し,その時刻を避けるように端末の送信をスケ ジューリングする.その結果,本手法に対応した端末は従来端末を含めた他の端末の送信との衝突を避け てデータを送信することができる.LoRaWAN の通信を,本手法を実装してシミュレーションした結果, 提案手法は従来手法に比べてフレームの衝突が減少することを確認し,提案手法の有効性を確認できた.

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ