野球ボールに内蔵されたセンサを用いた投球者識別手法の提案

抄録

スポーツ分野ではセンシング技術を用いてさまざまな状況を取得し,これらの取得したデータを選手のトレーニングや審判の支援,観戦者の観戦価値の付加として利用している.野球選手のトレーニングに着目すると,一人の選手がトレーニング途中でボールを変えたり,変えたボールを他の選手が使用することがある.ボールが複数個あり,投手が複数人いる状況で,ボールごとに投球の検出と投球情報の取得,そして投球者の識別を行うことができれば,すべての投手のすべての投球を記録できる.記録された投球情報を監督やコーチ,選手本人が参照し,トレーニングに活用できる環境の構築を目指す.本研究では野球ボールに内蔵された加速度センサおよび角速度センサのデータを用いて,投球練習中のボールの動きから,ボールが検出する各投球に対して,投手を識別する手法を提案する.提案手法は未知の投手がボールを投げたときの加速度センサと角速度センサの時系列データと,事前に各投手から収集した複数回の投球の時系列データの Dynamic Time Warping(DTW)距離を計算し,一投ごとに投手を認識する.評価実験から,識別精度の F 値 0.906 を得ることができた.

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