時系列栽培データ収集システムの開発

抄録

農作物の生育情報は農作業の評価や効率化に不可欠だが,労働力の減少により収集が困難になっている.この問題を解決するため,栽培のための環境制御や労務の自動化や効率化を行う自立移動可能な無人航空機 (Unmanned Aerial Vehicle: UAV) や無人陸上車両 (Unmanned Ground Vehicle: UGV) を使った方法が提案されたが,個々の作物の状態を把握するのは難しいといった課題がある.本研究では,温室メロンを対象として,個々の株の外観,果実表面画像,茎径,果実径,環境データを自動で収集するデバイス PiNode2 の開発を行った.また PiNode2 を作成した農場内ネットワークへ接続し,クラウド側の DB のネットワークと通信することでデータの収集と管理を遠隔で行うシステムを開発した.開発したシステムを用いてマスクメロンの栽培データを収集し分析することによってマスクメロンの栽培時の生育把握に用いられる葉の萎れや生長点の揺れ,網目の形成などの細かい変化を捉えることが可能であることを確認した.これらの栽培特徴データから環境データを分析することで,環境制御へのフィードバックも可能であることを確認した.

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