牛乳の食後高血糖抑制効果に対する乳成分の関与

書誌事項

タイトル別名
  • Involvement of milk components in suppressing postprandial hyperglycemia induced by milk consumption

抄録

今回の研究では、乳糖分解乳、脱脂乳、乳たんぱく質水溶液を用いて、牛乳の飲用による米飯摂取後の血糖上昇抑制作用に対する牛乳中の成分の関与について検討した。12 時間以上の絶食をした健常な成人9名の空腹時血糖を測定した後、米飯と200 mL の試験飲料(牛乳、乳糖分解乳、脱脂乳乳たんぱく質水溶液)を摂取させ、摂取後120 分間の血糖値を経時的に測定した。併せて、各試験食摂取後120 分間の総血糖上昇量として血糖曲線下面積(AUC)をそれぞれ算出した。その結果、牛乳の飲用では米飯摂取後45~90 分目の血糖値及び総血糖上昇量が対照食(米飯+蒸留水)摂取の場合よりも有意に低下した。しかし、乳糖分解乳、脱脂乳、乳たんぱく質水溶液の飲用では食後90 分目のみ血糖値の有意な低下が観察され、総血糖上昇量は対照食摂取での値と差がなかった。以上の結果より、牛乳の飲用で生じる米飯摂取後の血糖上昇抑制効果のうち、早い段階では乳中の脂質が、遅い段階では乳中のたんぱく質が関与することが示唆された。

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