On Recursivity of Communication : Revisiting the Dialogue between Niklas Luhmann and Heinz von Foerster

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  • コミュニケーションの回帰性をめぐって : ルーマン・コロキウム再訪
  • コミュニケーション ノ カイキセイ オ メグッテ : ルーマン ・ コロキウム サイホウ

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Abstract

第二次大戦期以降のサイバネティクス,コミュニケーション(通信)理論の発展を背景として,コミュニケーションは,社会科学の中心テーマの一つとして浮上している。C・シャノンの通信理論を解説したW・ウィーバーは,コミュニケーションをきわめて広い意味で捉え,人間の行為全般を捉える射程を示している。1970年頃にはH・フォン・フェルスターらによってサイバネティクスに再帰的な観察の視点が導入され,コミュニケーション的な関係をモデルとして構想する枠組みが形成されている。  社会学においては1950年代にT・パーソンズが自我と他我の行為選択が相互に依存していることを示し,これを社会関係の基底的条件とする体系的な理論を構築した。1980年代になるとそれを独自の再定式化によって引き継いだN・ルーマンが社会学的コミュニケーション論を展開した。本稿では,こうした研究史をふまえて1990年代に行われたフォン・フェルスターとルーマンによる理論的な対話を振り返り,両者がコミュニケーションという事態をどのように捉えたかを示すとともに,コミュニケーションというテーマが今日的な状況において内包する課題について考察を行う。

Journal

  • 法学新報

    法学新報 128 (7-8), 455-479, 2022-02-28

    法学新報編集委員会

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