所属組織と価値観が一致する就労者の就労観の特徴

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タイトル別名
  • Characteristics of Worker’s Values that same with the belonging organization
  • ショゾク ソシキ ト カチカン ガ イッチ スル シュウロウシャ ノ シュウロウカン ノ トクチョウ

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抄録

【問題と目的】ワーク・エンゲイジメント(以下,WE)が高い就労者の特徴として,所属する組織との価値観の一致が示されている。また,WE を規定する要因として,個人が重視する仕事の目的の役割が明らかにされている。しかし,所属する組織と同一化する就労者はどのような価値観(以下,就労観)をもつのかは明らかにされていない。そこで本研究では,労働価値観と組織コミットメントに着目し,組織と価値観が一致する就労者の就労観を測定することを目的とした。本研究は,就労観とWE の関連性を検討するという展望を見据えた予備的研究である。 / 【方法】製造販売業4 社の正社員を対象に,横断研究による自記式質問紙調査を行った。欠損値を除く469 名を分析対象とした。質問紙は,個人属性,労働価値観尺度,組織コミットメント尺度を用いた。労働価値観と組織コミットメントの下位因子を主成分分析によって集約した変数を「就労観」として総合的に捉えた。 / 【結果】労働価値観と組織コミットメントの下位因子を変数とする主成分分析を行った結果,固有値1.0 を超える3 主成分(肯定型就労観,存続規範型就労観,組織中心型就労観)が得られた。第1 主成分の肯定型就労観は,労働価値観の下位因子全てと組織コミットメントの愛着要素,内在化要素の成分負荷量が正の高値を示した。 / 【考察】多面的な観点から働くことに目的意識を備え,仕事に価値を感じている就労者は,組織に対する情緒的な愛着を感じ,組織との価値観が一致していることを示唆した。働くことに対して多くの意味を見いだせる就労者は,所属する組織へ情緒的愛着を感じやすく,組織との価値観が一体化しやすいとも考えられる。

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