流通分野における電子商取引の拡大:中国における実証分析のレビュー

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  • リュウツウ ブンヤ ニ オケル デンシ ショウトリヒキ ノ カクダイ : チュウゴク ニ オケル ジッショウ ブンセキ ノ レビュー

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抄録

[要旨]本研究の目的は,世界的に急速に拡大し,流通革命の原動力となっているECの実態を踏まえ,中国を中心とした流通分野における電子商取引(E-Commerce: EC)に関する実証研究の動向を概観することである。Google Scholarを利用した論文検索により,2004年から2022年までの24件の先行研究を抽出・検討した結果,以下の点が明らかになった。(1)初期の分析では,ECを利用する消費者や中小企業にとっての取引の信頼性,プラットフォームの利便性と信頼性,リスクに対する態度,取引に対する文化や価値観が分析の対象となっていた。また,分析に使用されたデータはアンケート調査に基づいたものがほとんどであった。(2)しかし,2010年以降は国や企業のデータが整備され,ECが国や地域経済に与える影響のマクロ分析が行われるようになり,またEC大手であるTaobaoが提供するビッグデータを活用した消費者の購買行動の時系列分析が行われるようになった。(3)直近では,ライブストリーミングを利用した新たなECに関する実証分析も行われている。

収録刊行物

  • 商経学叢

    商経学叢 70 (2), 407-427, 2023-09-30

    近畿大学商経学会

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