大分県下農村地域における食習慣の疫学的研究 : 食物摂取と食物消費構造(食物栄養学科編)

書誌事項

タイトル別名
  • Epidemiological Studies of Dietary Habit in a Rural Area of Oita Prefecture. (1)Relationship between Food Intake and Food Consumption Structure(Division of Food and Nutrition)

この論文をさがす

抄録

地域集団の中で食生活改善指導を行う場合, その地域の食生活を規定する要因や食物選択上の特性を把握しなければ効果をあげることはできない。今回, 大分県宇佐郡安心院町男56人、女59人を対象に食物摂取状況調査を実施し, 食物摂取水準と食物消費構造について検討した。1. 栄養素等摂取状況を平均充足率でみると, 男では、脂質、カルシウム、ビタミンB2, 女では、カルシウムが充足率を下回っていた。2. 栄養素比率では男女ともたん白質エネルギー比が高く、穀類エネルギー比が42. 0%と低かった。3. 食品群別摂取量では, 男に多いものは嗜好飲料, 動物性食品, 女に多いものは果実であった。4. 食物消費構造をみると, 米と補完関係のある食品群は、漬物・みそ・肉があり, 競合関係のある食品群は、パン・めんその他穀類であった。また, パンと補完関係のある食品群は緑黄色野菜、競合関係のある食品群は漬物であった。その他の特徴としては, 果実と漬物の補完性である。5. 食物消費構造を形造っている要因について, 主因子法を用いて因子分析を行った。第1因子は、男女とも米食型対パン食型の主食因子であった。第2因子は, 男女とも副食因子対簡便食因子であった。6. 各食品群の共通性をみると, 男では、菓子・いも、女では、砂糖・めんで, 大分地区平均と近似していた。7. 各食品群の因子負荷量のうち, 第1・第2因子を座標軸にプロットした。8. 因子得点係数を用いて, 昭和46年全国平均を起点とする座標軸に当該地区を位置づけてみた。伝統的な食べ方の中に副食量増加の傾向が把握できた。 本調査に御協力いただいた対象世帯の皆様, 調査活動に参加御協力くださった食生活改善班の学生諸姉に感謝いたします。また, 本研究をまとめるに当たり懇切な御助言をいただきました本学井上五郎教授, 電算機使用に際し御指導いただきました石丸浩正氏に深謝いたします。本研究は, 中村学園大学昭和57年度食物栄養学専攻 秦 和子, 若松薫子氏の卒業研究に検討を加えたものである。

26

KJ00000735026

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ