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抄録
本研究は、制度中心の研究とは一線を画し、1987年体制下の大韓民国で、大統領と議会の関係における首相の政治的役割について検討したものである。首相の任命、地位、権限という3つ問題から、大統領と議会を橋渡しするという首相の役割について分析をおこなった。まず韓国の場合、首相は国会議員である必要はない。大統領の絶対的な行政権によって国会議員以外でも首相に任命されうる。この行政的な取り決めには、大統領に強い行政権をあたえるという意味がある。第二に、臨時首相は大統領の意図の下で作られた仕組みである。第三に、首相の在任期間が、少数政権下で長い理由は、大統領が首相と協力するための戦略としてであると考えられる。一方、多数政権下で首相の在任期間が短いのは、大統領が自在に権力を行使した結果であると理解できる。本稿は、強い権力をもつ韓国大統領制において、首相が果たす役割の現実を実証的に再検証したものとなっている。
収録刊行物
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- 現代社会文化研究
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現代社会文化研究 78 65-79, 2024-02
新潟大学大学院現代社会文化研究科
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1050862256942502528
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- NII書誌ID
- AN1046766X
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- HANDLE
- 10191/0002001212
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- NDL書誌ID
- 033349179
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- ISSN
- 13458485
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- 本文言語コード
- en
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- 資料種別
- departmental bulletin paper
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- データソース種別
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- IRDB
- NDL