瀬戸内海周辺地域におけるハレの魚:岡山県の事例を中心に

書誌事項

タイトル別名
  • Sacred Fish in the Seto Inland Sea Area:A Case Study of Okayama Prefecture

この論文をさがす

抄録

ハレの魚の代表といえばマダイが挙げられるが、実際には地域により様々な魚がハレの魚として利用されている。こういった地域ごとのハレの魚について、先行研究は断片的な事例報告にとどまり、魚種の選択理由についての考察や比較研究はほとんど行われていない。筆者はこれまで伊勢湾周辺地域のボラがかつてハレの魚として扱われていたことを明らかにし、こうしたいわゆる「地魚」がハレの魚として定着する条件について考察を進めてきた。本論文では比較対象として主に岡山県を例にとり、自治体史や聞き取り調査から事例を収集した。その結果、サワラやコノシロなどがこの地域特有のハレの魚であり、特に春の魚島の行事食や祭礼などにおいて、サワラが重要な魚であることが判明した。ハレの魚の条件としては、成長段階名を持つ「出世魚」が縁起がよいとして選ばれること、サワラのような季節性(回遊性)が重要であることが明らかとなった。

魚食文化

行事食

ハレ

出世魚

魚島

identifier:DB005200011772

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ