地域社会の変遷と野神講:亀岡市河原林町河原尻東町の野神講を事例として

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タイトル別名
  • A Case Study of Changes in a Local Community and Nogami-ko:Kawarabayashi-cho, Kawarajiri Higashi-cho, Kameoka City

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抄録

京都府亀岡市河原林町河原尻東町の野神講について、年番が廻し持ちする文書と聞き書きを中心に、近現代の講を取り巻く環境変化と、それに対する講の対応と変遷を辿った。野神講は、東町の一部農家で構成された野神に牛馬の健勝を祈願する講であった。近代には、洪水被害と厳しい経済環境下で、共済機能を維持する努力が認められる。昭和 30 年代後半に機械化により役牛の飼育が消滅し講の目的が失われたが、親睦会として存続した。河原尻では、自治会が支える愛宕講や、同族集団であるカブを核とする伊勢講が現存するが、これら基盤となる組織・集団を持たない野神講は、平成 14 年末に休止状態となった。その背景には、集団営農や企業参入という農業経営の変化、ベッドタウン化と農業の後継者難という都市近郊農村の変貌がある。それでも講が形式的に存続している背景には、講の解散が地域社会の一端の崩壊と感じられる事と、全員一致の原則を見出せる。

野神

カブ

世代交代

identifier:DB005200011770

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