注意欠如多動症の成人が経験する感情制御困難の現状理解―感情制御困難の構成要因と内向的感情に着目したスコーピングレビュー

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  • Understanding Emotional Dysregulation in Adults with Attention-Deficit/Hyperactivity Disorder:A Scoping Review Focusing on Mechanisms and Introverted Emotions

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抄録

先天的な脳の機能障害である注意欠如多動症は,感情を適切に制御する能力を意味する感情制御の困難と密接に関わっており,小児期よりも特に成人期においてより多く経験されているとの報告がある。しかし,感情制御困難の研究は定義や尺度が統合されておらず,研究結果にもばらつきがある。また,成人の場合,職場で衝動的に怒りを爆発させてしまうといった外に向かった感情の制御については研究が行われているものの,社会的に問題になりにくい落ち込みや自責感情,悲しみなどの内的葛藤に関する感情制御については未だ不明瞭な点も多い。本レビューでは,ADHD 特有の感情制御困難について特徴やメカニズムを検討した研究を整理することで,既存の知見で網羅されていない研究領域を特定することを目的とした。上記に則り,本研究では全89 の文献のスコーピングレビューを行い,(1)感情制御困難の定義,(2)発生メカニズム,(3)制御対象の感情,(4)今後の展望という4 つの視点から当該分野を概観した。

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