中国新移民とカンボジア・シアヌークビルの社会的変容 : 一帯一路を背景に

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  • New Chinese Immigrants and the Social Transformation of Sihanoukville, Cambodia: In the Context of Belt and Road Initiative

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抄録

本研究は、「一帯一路」戦略の推進を背景に生じた中国新移民の移動がカンボジアの観光地シアヌークビルにもたらした社会的変容を、カンボジア華人社会の歴史的変遷を踏まえて考察する。背景や動機の多様性と高い流動性に特徴付けられる中国新移民は、シアヌークビルをバックパッカーの町から開発途上のカジノの街へと変容させた。歴史的に現地化したカンボジア華人とは異なり、中国新移民はシアヌークビルの現地社会との接触が限定的であり、エスニック・エンクレーブ(Muttarak, R.2017)を形成している。一方、ライフスタイルを求めて積極的に現地社会に溶け込もうとする新移民も現れている。カンボジア華人、中国新移民、現地住民は重層的な関係を織り成しており、そのダイナミックな関係の中でカンボジア社会はこれからも大きく変容すると予想される

収録刊行物

  • 紀要

    紀要 16 99-114, 2024-03-31

    多摩大学グローバルスタディーズ学部

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