中国人移住者における在留資格「技能」所持者の実態 ―在留資格の沿革と東海地域の中華料理人の生活戦略より―
書誌事項
- タイトル別名
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- The Actual Situation of “Skilled Labor”Status Holders among Chinese Migrants: From History of Residency Status and Livelihood Strategies of Chinese Chefs in the Tokai Region
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抄録
本稿では,「技能」の在留資格の歴史的な変遷をみることにより,中国人の料理人たちの日本への移住がどのように進められ,また他の在留資格と比べどのような特徴があるのかを明らかにした.その結果,在留資格「技能」の歴史的な変遷からは,戦前から滞在していた料理人を追認するかのように「出入国管理令」が定められていることや,「技能」の在留資格は他の在留資格と比べ実務経験を証明することで,学歴や日本語検定がない者が取得しやすい資格となり得ていることなどが明らかとなった.実際に現在日本に入国してきている中華料理人の特徴をみてみると,1990 年代頃に中国の農村地域から日本にきているものが大半である.さらに,在留資格「技能」所持者の中華料理人の日本への移住が進められている一方,「技能」の在留資格は彼らに制約を与えている面があることも明らかとなった. そのため,「技能」の在留資格の特殊性や現状から「技能」の在留資格の機能的な意味を明らかにし,中華料理人の彼らがどのような生活戦略を立てているのかを,東海地域を中心とした中華料理人を対象としたヒアリング調査から捉えていく.その際に,他の在留資格の受入れ条件と比較しながら「技能」の在留資格の特徴を浮き彫りにしていく.そして,これまで明らかにされていない日本で就労する中国人移住者の特徴を明らかにすることが本稿の大きな目的である.
収録刊行物
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- 現代と文化 : 日本福祉大学研究紀要
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現代と文化 : 日本福祉大学研究紀要 (148), 43-55, 2024-03-31
日本福祉大学福祉社会開発研究所
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1050862623748291584
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- NII書誌ID
- AA11400593
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- ISSN
- 13451758
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- 本文言語コード
- ja
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- 資料種別
- departmental bulletin paper
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- データソース種別
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- IRDB