外国人児童の理解支援に向けた国語科教科書の分析―「やさしい日本語」に着目して―

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  • Analysis of Japanese Language Textbooks for Elementary School to Support Foreign Students' Comprehension : A Focus on Yasashii-Nihongo

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抄録

本研究では,在籍学級で学ぶ外国人児童の国語科の学習における理解支援を目的とした教科書分析を行った。国語科の授業を在籍学級で学ぶ外国人児童生徒に対し,教師がやさしい日本語を用いてどのような支援ができるかを検討した。 分析方法は,次の通りである。まず,各学年の教科書における「読むこと」を主として扱う国語科教材の学習指示文をテキスト化し,「やさにちチェッカー」を用いて日本語学習者にとっての読みやすさを診断した。また,教材を「説明的な文章」と「文学的な文章」に分類し,各学年における教材の種類別に比較した。次に,3年生の文学的な文章教材「ちいちゃんのかげおくり」の本文と学習指示文を比較した。 分析の結果,学習指示文は語彙および文法の難易度の評定は低いこと,総合評定の難易度は3年生を目安に高くなる傾向にあることが示された。また,授業での教師の発話高難易度と判定された語彙については,語彙の理解を目指す「分析した教材が持つ個別の語彙」と,語彙の習得を目指す「他の教材にも共通する語彙」に分け,それぞれに対する言い換えや視覚的な支援という直接的な理解支援を提案した。また,文法表現についても,「やさしい日本語」への言い換え提案を参考に,児童にとって理解しやすいと考えられる表現を提案した。

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