病院における治療食献立の栄養素や食品量の評価

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タイトル別名
  • Evaluation of nutritional content and food quantities in therapeutic diet menus provided in hospitals
  • ビョウイン ニ オケル チリョウショク コンダテ ノ エイヨウソ ヤ ショクヒンリョウ ノ ヒョウカ

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抄録

病院の食事が退院後の食事療法の見本となりうる治療食であるのかを検討するために,H病院の一般食とエネルギーコントロール食の栄養素や食品の量について解析・評価した。治療食の栄養素の量と食事摂取基準に示された数値と比較では,男性の推定平均必要量に達していない栄養素(Ca,V.B1等)が認められたが,これらの栄養素は国民健康・栄養調査においても不足しがちな栄養素であり,病院の食事のエネルギー量が低く設定されているためと考えられた。また,エネルギーコントロール食は,一般食よりも食事摂取基準に示された数値に合致している栄養素が多かったが,これはエネルギーコントロール食が『糖尿病食事療法のための食品交換表』に基づいた食品構成であるために,米の量が少なく,魚介類,肉類,卵類,果実類,野菜類の量が多いためと考えられた。また,エネルギーコントロール食のPFC比は『糖尿病診療治療ガイドライン2016』『動脈硬化性疾患予防ガイドライン2012年版』に示された数値と合致しており,日々の栄養素の量の変動も小さかった。これらのことから,退院後にCaやV.B1等の習慣的な不足が生じないよう,退院後を見据えた栄養指導等を行う必要があると考えられた。

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