エルゴチオネインによる脱落膜化制御機構

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  • Regulatory mechanism of decidualization by ergothioneine

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抄録

type:Article

ヒト子宮内膜では、卵巣からのステロイドホルモンの影響を受けて、周期的な増殖、分泌性の変化、間質の脱落膜化、ならびに剥離(月経)が起こる。排卵後の黄体から分泌されるプロゲステロンを受けて、子宮内膜に含まれる間質細胞は脱落膜化し、胚着床のための環境を整える。この脱落膜化に異常が生じることで、着床障害や流産、妊娠高血圧腎症、胎児発育不全、癒着胎盤などが起こる。われわれは過去に脱落膜化ヒト子宮内膜間質細胞における機能性食品エルゴチオネインのトランスポーターOCTN1 の発現上昇を見出しており、本研究において脱落膜化へのエルゴチオネインの効果を検討した。エルゴチオネイン によってヒト子宮内膜間質細胞株での脱落膜化のマーカーであり、かつ絨毛外栄養膜細胞に働きかけることで胎盤形成にも関与するIGFBP1 の発現上昇が抑制されることを見出した。さらに、この抑制には転写制御因子FOXO1 の減少が関与することも見出した。エルゴチオネインはOCTN1 を介し、胎盤形成を促すIGFBP1 の発現を抑制することで、癒着胎盤等を予防している可能性が示唆された。

identifier:http://reposit.sun.ac.jp/dspace/handle/10561/2025

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