中国における継承日本語学習者の漢字習得 : 同根語による言語間転移に着目して

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タイトル別名
  • Heritage Language Learners'Acquisition of Kanji in China : Focusing on Cross-Linguistic Transfer Through Cognate Vocabulary
  • チュウゴク ニ オケル ケイショウ ニホンゴ ガクシュウシャ ノ カンジ シュウトク ドウコンゴ ニ ヨル ゲンゴカン テンイ ニ チャクモク シテ

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抄録

研究論文

本研究は、中国で日本語を継承する子どもの漢字習得において、先行学習した中国語の漢字がどのように影響を与えるのかを明らかにし、言語間転移の観点からその習得過程を記述することを目的とする。Cumminsの2言語相互依存仮説(Interdependent hypothesis) による言語間転移を理論的根拠とし、北京在住日中国際結婚家庭の現地校小学一年生児童10名と日本人学校児童2名の協力を得て漢字読み実験を実施、併せて実験後の回顧的インタビューと保護者への言語背景質問票調査を行った。その結果、同根語(cognate) である漢字が日本語の漢字の読みに意味概念を通じて転移することが確認された。そして日本の漢字をどう認識するのか、未習の漢字をどう読むのか、なぜそう読むのかを、言語間転移による習得メカニズムについての考察の手がかりとした。また、転移を促す条件として、小学一年生の段階では、会話を基礎とした日本語語彙力、平仮名の習得・習熟、認知の発達が大きく関わることが示された。

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