韓国語話者の日韓両音声による「パラ言語情報」の実現に関する考察 : 「問い返し」と「疑い」の比較を中心に

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タイトル別名
  • Acoustic analysis of paralinguistic information in Japanese and Korean by Korean speaker
  • カンコクゴ ワシャ ノ ニッカン リョウ オンセイ ニ ヨル パラ ゲンゴ ジョウホウ ノ ジツゲン ニ カンスル コウサツ トイカエシ ト ウタガイ ノ ヒカク ヲ チュウシン ニ

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抄録

本稿は、韓国語を母語とする日本語学習者を対象に、日本語と韓国語音声による「パラ言語情報」の実現に見られる音声特徴を、基本周波数と持続時間の側面から捉えようとするものである。発話データを分析した結果、以下のことが明らかになった。まず、学習者と日本語母語話者の間には、「疑い」の「パラ言語情報」の実現に関わる酋声パラメータの有効性に違いがあることがわかった。つまり、日本語母語話者は、「疑い」の「パラ言語情報」を表出するために、発話の開始部や冒頭の上昇においてFoを積極的に変化させると同時に、文末の最終音節の持続時間を最も伸長させることがわかった。これに対し、学習者は、文頭の畜節の持続時間を積極的に伸長させる反面、文末の最終苫節は日本語母語話者ほど顕著に伸長させないが急激に上昇させることがわかった。また、学習者の場合、「問い返し」発話でアクセント型が実現できても、「疑い」の「パラ言語情事軌が付加されると、特に、平板型アクセントの保持が難しくなる傾向があることがわかった。そして、学習者の日本語音声による「疑い」の「パラ言語情報」の実現には、日本語母語話者の音声特徴とも、学習者の母語(韓国語)の音声特徴とも異なる、いわば、中間言語的な特徴があることも確認された

収録刊行物

  • 阪大日本語研究

    阪大日本語研究 18 79-105, 2006-02

    大阪大学大学院文学研究科日本語学講座

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