ライフヒストリー法による保育者志望学生の予期的社会化過程の分析 : 保育者観の形成に着目して

書誌事項

タイトル別名
  • Analysis of the Anticipatory Socialization Process of Students Aspiring to Become Childcare Workers Using the Life History Method : Focusing on the Formation of Views on Childcare Workers

抄録

本稿の目的は、ライフヒストリー研究の手法を用いて、「保育者になる」と決めた学生の保育者への社会化というライフヒストリーを、彼らの語りをもとに丁寧に全体的、連続的に読み解いていくことによって、それぞれの学生が自身の経験を主体的に統合していくプロセスやメカニズムに迫るものである。対象は、2年制の保育者養成校の就職が決まっている2年生であり、養成校在学中に困難に直面しながらも、高い保育者志望度を保ち続け「保育者になる」3名の学生である。保育者の予期的社会化過程において、幼少期の保育体験のインパクトが保育者観の形成に影響を与えていることが見出された。彼らは、不安や悩みを抱いたときには、養成校での授業以外のインフォーマルな場で、保育者を目指す友達と悩みを分かち合う経験を繰り返すことを通して、自身の経験を捉え直していた。さらに、保育の専門的な知識や技術や子どもの存在が、保育現場で遭遇した困難な出来事を乗り越えて、「保育者になる」意欲を保持することにつながることが示唆された。

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