保護者が小学校教師に抱く信頼感についての質的検討 (2)―母親の信頼感に着目して―

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タイトル別名
  • ホゴシャ ガ ショウガッコウ キョウシ ニ ダク シンライカン ニ ツイテ ノ シツテキ ケントウ(2)ハハオヤ ノ シンライカン ニ チャクモク シテ
  • A qualitative study of parents' trust in elementary school teachers Ⅱ: Focusing on the trust of students’ mothers

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抄録

本研究のテーマは、保護者が小学校教師に抱く信頼感の特徴について探索的に検討することであった。本稿では、高田・鈴木(2023)で得られた【保護者の要因】の一部であると考えられる ①母親の一般的な信頼感の傾向、②母親の過去の教師(自身が小学生だった頃の教師)に抱く信頼感と、保護者として子どもの担任教師に抱く信頼感にどのような関連があるかについて質的に検討することを目的とした。12名の母親に半構造化面接を実施し、それぞれの語りについてKJ法を援用して切片化を行った。母親一人一人の信頼感の傾向をつかむため、構成的文章完成法(片口・早川,2000)の反応文の記号化を参考にし、得られた切片を分類して検討した。その結果、①母親自身の一般的信頼感と担任教師に抱く信頼感は関連が認められたが、保護者として子どもの担任教師に抱く信頼感は情報依存的信頼(山岸,1998)の側面が強く、一般的信頼感とはその性質が異なることがうかがえた。②母親の過去の教師(自身が小学生だった頃の教師)に抱く信頼感は、保続されていると考えられたが、保護者として子どもの担任教師に抱く信頼感は、人生経験、価値観、時代や環境の変化が影響して、母親個々に変化していくことが示唆された。本研究が、教師と保護者の連携のために、学校側から保護者に働きかけを行う際の一助となることを期待している。

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