配偶者を介護する高齢の夫介護者に対する 介護支援専門員の支援実態に関する研究

書誌事項

タイトル別名
  • The Study of skill of care managers who support elderly husband carers
  • ハイグウシャ オ カイゴスル コウレイ ノ フカイゴシャ ニ タイスル カイゴシエン センモンイン ノ シエン ジッタイ ニ カンスル ケンキュウ

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抄録

本稿の目的は,高齢の夫介護者に対して,居宅介護支援事業所の介護支援専門員が行う支援方法(以下,ソーシャルワーク実践スキルとする)の実態を明らかにすることである. 本研究の調査期間は,関西福祉大学社会福祉学部倫理審査委員会での承認後(承認番号:関福大発3 -0222 号),令和4 年8 月15 日~ 9 月30 日までである.A 県居宅介護支援事業所全数1,725 か所(令和4 年8 月1 日時点でホームページに掲載)に配置されている介護支援専門員1,725 名を対象に,無記名式の質問紙を郵送法にて配布した.ただし,閉鎖等により返送があった305 箇所を除く1,420 箇所1,420 名を配布対象者とした.その結果,297 名からの回答があったが,65 歳以上の夫介護者を支援した経験があり,かつ,介護支援専門員の資格を保有していると回答した292 名を有効回答とし,分析対象とした. 分析の結果,介護支援専門員のソーシャルワーク実践スキル16 項目のうち,平均値が高かった項目は,①「介護者と信頼関係を築くことができるように,話を何度も聴いた」②「これまで介護者がとってきたコミュニケーション方法や行動を否定せず,介護者に溶け込むように努力した」③「介護者と信頼関係を築くことができるように,介護者宅を訪問した」④「介護者のイライラが発生するのは,どのような場面であるのか,どのような理由が背景にあるのかという点について介護者の認識度合いを確かめた」⑤「他職種とカンファレンスの機会を持った」⑥「他職種と連携をして,訪問や面接を行った」⑦「介護者がこれまで送ってきた生活史について,称賛した」であることが分かった.介護支援専門員と高齢の夫介護者の間で信頼関係を構築しようとする支援の技法が最も多く使われていることが明らかになったといえる.

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