「邑久長島架橋」設置における患者当事者運動史 ―「生活改善運動」との関連から捉えた架橋運動「構想期」―

抄録

長島に設置された邑久光明園と長島愛生園では永らく本土と隔絶した環境下に置かれ、その中で架橋設置の実現は彼らの生活保障や人間回復という面からも強く求められていた。 架橋運動の芽生えとしての「構想期」において、架橋設置は優先順位として後回しとなっていたが、「生活改善運動」により、徐々に整備される療養所環境の改善と相まって、架橋設置を求める声は、具体的な行動へと移されていった。このことからも、架橋運動はある日突然その必要性が叫ばれたのではなく、「生活改善運動」の成果の延長線上に浮上した必然性を内包した当事者運動である。

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