看護教育におけるヤングケアラーの教材の有効性に関する検討

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抄録

ヤングケアラーとは、通学や仕事のかたわら、障害や病気のある親や祖父母、年下のきょうだいなどの介護や世話をしている18歳未満の子どもを示すが、家庭内の問題と捉えられることも多く、介入の困難さに加え本人や家族の認識の低さなどから支援の必要性は表明化しにくいとの指摘がある。看護学生への講義でヤングケアラーの記事を教材として使用し、学修内容の傾向と課題について分析を行い、学びと課題を抽出した。その結果、ヤングケアラーのことを約6割が聞いたことがなく、認知度を高めることが喫緊の課題であることが明らかにされた。また、看護学生の考える連携先は、「学校や先生」、「地域」、「訪問看護師」や「養護教諭」などであった。また、児童生徒への支援では、《学校・地域の支援体制づくり》や《負担を減らすためのサービス利用》、《必要な学習支援》、《精神的負担の軽減》のカテゴリが抽出された。看護学生は、地域に視点を 持ち、幅広い連携先やできることを考えていた。今後は、明らかになった傾向を、看護学生にとどまらず、福祉や教育分野の学生の現状も把握し、比較検討していくことが必要である。また、看護学生と福祉の学生、養護教諭コースの学生それぞれの教育内容の課題を明らかにすることで、学修内容の傾向に照らした同一教材の開発に繋がることが示唆された。

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