早池峰大償神楽の担い手について

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  • About of dansers of Hayachine Otugunai kagura

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抄録

北上山地の主峰早池峰山麓の集落には早池峰流神楽と呼ばれる神楽がいくつも存在し,その中核とされる神楽のひとつが大迫町内川目の早池峰大償神楽である。大償神楽は大償神社(岩手県花巻市大迫町・旧大償三社権現)の奉納神楽であり,1488(長享 2)年銘の神楽秘伝書を有することから神楽の開始からおよそ 500 年以上経過することが推定される。なぜこの神楽が長期に渡って継承されたのかについて考える上で,担い手についてその変遷も含めて知ることは重要である。大償神楽は,付属する大償三社権現の別当佐々木家が江戸時代から神楽を率いてきたが,神楽の担い手は「禰宜家を中心とした地域住民」と伝えられ,これについて一部を除き明確にされていない。そこで今回,江戸時代末期から明治時代への移行期と,近現代における大償神楽の担い手に着目して,資料や聞き取り調査から可能な限りの神楽の担い手を抽出し分析したところ,明治時代までは別当佐々木家血縁の幾つかの家と早池峰山の最初の里宮である田中明神別当の弟子により神楽が守られていたこと,後に佐々木家の分家や大償集落の決まった家筋の人々により神楽が担われ,時代の流れとともにその範囲が広がっていくことを明らかにした。

早池峰山

大償神楽

神楽の家系

担い手

変遷

identifier:SK003100011826

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