家庭の蔵書数はSES(社会経済的状況)の代替指標として適切か?―全国学力・学習状況調査、PISA、TIMSSの多面的分析による検証―

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書誌事項

タイトル別名
  • Is the Number of Books at Home Appropriate as an Indicator of SES? – Verification through Multifaceted Analysis of the National Achievement of Academic Ability, PISA, and TIMSS –
公開日
2024-03-22
資源種別
departmental bulletin paper
公開者
宮城教育大学教職大学院

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説明

本稿の目的は、質問紙調査における「家庭の蔵書数」を問う項目が、社会経済的状況(Socio-Economic Status: SES)の代替指標として適切か否かを検証することである。本稿では、全国学力・学習状況調査(令和4年度)とPISA(2018年)とTIMSS(2019年)の3調査をデータとし、次の5つの検証を行った。【検証01】全国学力・学習状況調査とPISAにつき、蔵書数回答の平均値と標準偏差を比較した。その結果、2調査の平均と標準偏差には、ほとんど差がなかった。【検証02】PISAの蔵書数スコアとESCSスコアとに妥当な相関があるかを検証した。ESCSは、SESを精度よく測定するためにOECDが開発した独自指標である。およそ40項目を合成した変数である。検証の結果、両スコアには妥当な相関があった。【検証03】PISAにおける「学力-蔵書数の相関係数」と「学力-ESCSの相関係数」とが整合的か否かを検証した。その結果、双方はほぼ一致することが判明した。【検証04】「学力-蔵書数の相関係数」が、全国学力・学習状況調査とPISAとTIMSSの3調査で整合的か否かを検証した。その結果、3調査は整合的であった。【検証05】TIMSSでの蔵書数に関する児童回答と保護者回答の整合性を検証した。TIMSS2019では、第4学年で、保護者アンケートを実施している。保護者調査では、児童質問と同じく、保護者に蔵書数を質問している。そこで児童回答の蔵書数と、保護者回答の蔵書数とが整合的か否かを検証した。その結果、両者もまた整合的であった。さらに、「保護者回答蔵書数-その子の学力の相関係数」と、「児童回答蔵書数-本人学力の相関係数」との整合性を検証した。その結果、両者の整合性も証明された。以上の検証から、蔵書数の質問項目は、わずか1項目でありながら、SESを高い精度で測定する「マジック・クエスチョン」であり、蔵書数回答スコアは「マジック・ナンバー」であるとの結論に至った。

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