ダイナミック・ケイパビリティ論の焦点は何か : 学説の系譜に基づく考察

書誌事項

タイトル別名
  • ダイナミック・ケイパビリティロン ノ ショウテン ワ ナニカ : ガクセツ ノ ケイフ ニ モトズク コウサツ
  • Dainamikku keipabiritiron no shōten wa nanika : gakusetsu no keifu ni motozuku kōsatsu
  • What is the focus of dynamic capabilities framework? : a genealogical study of the theories

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説明

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市場の不確実性が高い今日において,ダイナミック・ケイパビリティ論は注目に値するが,依然としてフレームワークの曖昧さと議論の混乱が見られる。本稿は,源流としてのサイモンの学説から,それぞれ意思決定論の議論,組織ルーティンに関する議論,資産構成に関する議論が派生し,それらがいかにしてダイナミック・ケイパビリティ論の下に取り込まれていったのかを探究する。こうした学説の系譜に基づいて,意思決定論に関する議論は,ダイナミック・ケイパビリティ論の理論そのものというよりも,ダイナミック・ケイパビリティ論のサブ理論または形而上学的な前提として位置づけられると論じる。また,組織ルーティンに関する議論に基づくウィンター流のダイナミック・ケイパビリティ論よりも,資産構成に関する議論に基づくティース流のダイナミック・ケイパビリティ論のほうが理論的に整合的であり,ダイナミック・ケイパビリティ論の焦点は有形・無形の資産や組織のサブユニットのケイパビリティを補完的に結合することにあると論じる。

菊澤研宗教授退任記念号 論文

収録刊行物

  • 三田商学研究

    三田商学研究 66 (5), 151-167, 2023-12

    慶應義塾大学出版会

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