スギ幅広板材から製造した集成材の強度および接着性能

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  • スギ ハバビロ イタザイ カラ セイゾウ シタ シュウセイザイ ノ キョウド オヨビ セッチャク セイノウ

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末口径が300mmを超えるスギ大径材の利用方法として,心持ちの幅広板材を採取し,これを接着して集成材を作製することを試みた。末口径300mm超のスギ丸太より,幅52mm,厚さ302mm,長さ4000mmのスギ心持ち板材(幅広板材)を19枚採取し,材質を調べた後に中温で乾燥し,乾燥後の材質を調べた。乾燥により,幅広板材の縦振動法で測定したヤング係数は増加した。また,たわみ振動法で測定したヤング係数は縦振動法よりも低く,これはせん断たわみの影響と考えられた。縦振動法で測定したヤング係数を基に,昇順に3枚を1組として幅広板材を区分し,レゾルシノール樹脂接着剤を使用して,幅120mm,厚さ280mm,長さ4000mmの3プライ集成材を6体作製した。曲げ試験の結果,各集成材の曲げ強さは集成材の日本農林規格の基準値を満たしていた。次に,接着性能試験として減圧加圧剥離試験およびブロックせん断試験を実施した。減圧加圧剥離試験の結果,すべての試験片で剥離は発生しなかった。ブロックせん断試験の結果,接着層のせん断強さおよび木部破断率とも,すべての測定値は集成材の日本農林規格の基準値を満たしていた。以上の結果より,幅広板材を使用したスギ集成材は横架材として使用可能と考えられる。

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