知的障害のある子どもへの認知特性に応じた読み書き指導
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type:Article
知的障害のある児童に対し、読み書き障害のある子どもへの指導(認知特性に応じた指導方法)を参考にした漢字の指導を行った。ひらがな・カタカナの読み書きを概ね習得している小学部2 名の児童を対象とした。1 名は視覚認知は強いが言語理解に弱さがあり(事例1)、もう1 名は言語理解は強いが視覚認知や巧緻性に弱さがみられた(事例2)。事例1 に対しては、イラストを使って意味理解を定着させる指導を、事例2 に対しては漢字の画を言語化することで形を捉えやすくする指導を行った。課題を細分化し、スモールステップで指導を行ったところ効果が見られ、定着もよかった。知的障害のある子どもにも、読み書き障害のある子どもに行われている指導方法は有効である。一方この2 事例は、認知面の個人内差の大きさが顕著であった。領域によっては6〜9 歳もの個人内差がみられ、これが学びにくさにもつながっていると思われた。知的障害のあるこどもの認知特性を把握し、領域ごとの発達水準を知ることは、より個人に応じた手立てや配慮を提供することにつながり、子どもの心理的負も減らすことができる。
収録刊行物
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- 紀要
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紀要 2 50-56, 2021-03-22
大阪教育大学附属特別支援学校
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1050863661267425152
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- NII論文ID
- 120007017953
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- NII書誌ID
- AA12913163
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- 本文言語コード
- ja
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- 資料種別
- departmental bulletin paper
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- データソース種別
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- IRDB
- CiNii Articles