ICT 教具論/文具論からみた歴史系科目の ICT 活用に関する検討

書誌事項

タイトル別名
  • An Examination of ICT Use in a History Course:ICT as Teaching Equipment and Learning Instruments
  • ICT キョウグロン/ブングロン カラ ミタ レキシケイ カモク ノ ICT カツヨウ ニ カンスル ケントウ

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説明

新型コロナウイルス感染症の発生・流行以前の歴史系科目におけるICT活用は、これまでの板書や授業プリントをPowerPointへと移行した事例に代表されるように、教具としての活用に焦点が当てられてきた。その後、2020年の全国一斉休校を機に、ICTを活用せざるを得ない状況が生まれると、オンライン授業や動画配信が注目されるようになり、近年では1人1台の情報端末を活用した、いわば文具としてのICT活用の実践事例も報告されるようになってきている。本稿では、ICT教具論/文具論の視点を手がかりにして、主に高校の歴史系科目におけるICT活用の事例を整理し、その特質を明らかにした。その上で、1人1台の情報端末の導入を機に、教師による講義中心の授業を転換し、ICT文具論の発想を重視した授業、すなわち、生徒たちが主体的に情報端末を活用して、史資料を読解したり、課題を追究したりするような歴史授業を実現するために、①歴史授業の主目的を、知識の伝達から、自分たちで歴史について探究できる自立した学習者の育成へと転換すること、②1人1台の情報端末を用いて共同注視の関係性を構築することの必要性を指摘した。

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