グリーンウォッシングへの対応と課題

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タイトル別名
  • Response to Greenwashing and Challenges Thereof
  • グリーンウォッシング エ ノ タイオウ ト カダイ

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説明

持続可能な社会を実現するための金融への移行が進展する中,グリーンウォッシング(うわべだけの欺瞞的な環境訴求)への批判は増加している。グリーンウォッシングは,消費者や投資家が環境上有益な成果を生み出す企業に報いることを躊躇させ,その結果,企業が環境面での取組みの意欲をそがれるという事態を生じさせうる。各国での対応も進展しているが,そのアプローチはさまざまである。本論文では,サステナブルファイナンスにおけるグリーンウォッシングを対象に,金融庁の近時の対応とEUのタクソノミー規制を取り上げるとともに,それらを踏まえた検討を行う。検討においては,どのような対応策をとるかにとって重要な考慮要素である,グリーンウォッシングの原因とESG要素の特性をめぐる議論を整理した上で,まず原則ベース・アプローチおよびタクソノミーベース・アプローチの長短について検討し,次いで,アクティビストのプレッシャーと企業の開示行動を巡る研究にも言及しつつ,企業の「口を閉ざす」という現象をどう捉えるかの考察を行う。

収録刊行物

  • 法学新報

    法学新報 130 (9-10), 365-393, 2024-03-21

    法学新報編集委員会

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