脂肪酸を用いた水圏生態系の食物網解析

  • FUJIBAYASHI Megumu
    Department of Urban and Environmental Engineering, Faculty of Engineering, Kyushu University : Associate Professor

Bibliographic Information

Other Title
  • シボウサン オ モチイタ スイケン セイタイケイ ノ ショクモツモウ カイセキ

Search this article

Description

食物連鎖は生態系の物質循環を駆動する主要な機構の一つである.食物網とは,生態系内の食物連鎖を総合的にあらわしたものであり,食物網の理解は生態系保全や管理に有用である.ある脂肪酸は生物分類群ごとに固有,あるいは特異的に多く含まれ,その脂肪酸は食物連鎖を介して高次の動物に移動しても保存性が高く,トレーサーとして利用可能である.例えば,秋田県八郎湖ではアオコの発生する夏季に,様々な魚類中のリノレン酸やリノール酸含有率が増加する.これらの脂肪酸は,アオコを形成する藍藻類に多く含まれる脂肪酸であることから,八郎湖において藍藻が餌源として食物網に組み込まれていることが分かる.従来利用されてきた冑内容物や安定同位体比などの手法と組み合わせながら活用することで,水圏生態系の食物網の理解が深化すると期待される.

Journal

  • 環境管理

    環境管理 52 9-16, 2023-07-31

    九州環境管理協会

References(1)*help

See more

Related Projects

See more

Details 詳細情報について

Report a problem

Back to top