生理指標によるVR空間と実空間の印象比較

説明

近年,建築分野では VR 空間内でのモデルルーム体験などで VR が活用されている.VR 空間はコストに優れる反面,実際の空間である実空間を見た時との間の印象に差があった場合,VR空間の印象の信頼性が低下する課題がある.このように,VR空間を実空間の代替として制作する場合には,実際の空間の印象や感情の差について把握しておく必要がある.しかし,同一空間を見た場合のVR空間と実空間の印象の差については,十分に明らかにされていないという課題がある.そこで本研究では,VR空間と実空間を見た際の印象の差を明らかにすることを目的にする.まず,印象の差として臨場感,視覚情報,感情の差について明らかにするものとした.次に,これらの差を明らかにするための客観的な評価法を検討した.本研究では特に,生理指標である脳波と,心拍変動を用いることで,これらの臨場感や視覚情報,感情に及ぼす影響の違いを評価するものとした.さらに,生理指標に加え,SD法によるアンケートを行い,生理指標では評価が難しいと予想される印象の認知観点からの比較を行うものとした.評価では,同一の対象でのVR空間と実空間との比較実験を実施した.実験では,同一のVR空間と実空間において,提案した手法にてその違いを評価した.その結果,覚醒度,視覚情報の処理に差があることがわかった.

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