当院においてOncotype DX® を実施した2症例のShared decision making

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説明

医療現場において化学療法省略可否等の治療方針決定を行う場合、かつてはInformed consentが主流であったが、現在は患者と医療者が協力し意思決定を行うShared decision making(以下SDM)が拡がりつつある。2023年9月、多遺伝子アッセイの一つであるOncotype DX®が保険収載され、乳癌術後化学療法の省略を判断する上で補助となる情報が増えることとなった。 今回我々は保険収載後に当院でOncotype DX®を実施した2症例について検討し、本検査がSDMに与える影響について考察した。 Oncotype DX®を実施することにより、患者、医療者双方の意思決定において有益な情報となり得る可能性が示唆された。一方で、患者、医療者双方の意見と検査結果の乖離等、慎重な判断が求められる症例が出現する可能性も懸念された。あくまでも検査はSDMを行う際のツールの一つとして捉え、患者と医療者が対話を重ね、治療方針を決定することが重要と思われた。

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