療法食の給与が健常犬の食後の血中脂質濃度に及ぼす影響

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タイトル別名
  • Effect of dietary therapy on the postprandial serum lipid concentrations in dogs
  • リョウホウショク ノ キュウヨ ガ ケンジョウケン ノ ショクゴ ノ ケッチュウ シシツ ノウド ニ オヨボス エイキョウ

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説明

高脂血症は血清中のトリグリセリド(TG)および総コレステロール(T-Cho)濃度に基づいて診断されており、これらは食後に上昇することが知られている。本研究では、食事療法の違いによる食後の血清TG・T-Cho濃度への影響を明らかにすることを目的とした。健常なビーグル6頭を2頭ずつ無作為に3群へ振り分け、3×3のラテン方格法により高栄養食、低脂肪食、または高繊維食を2週間ずつ給与した。各食事を2週間給与した時点の朝における食前および食後2、4、6、8、10、12時間における血清TGおよびT-Cho濃度を測定し、各食事間で比較検討した。血清TG濃度は、高栄養食でのみ有意な食後の上昇が認められ、低脂肪食および高繊維食と比べて食後2〜10時間において有意な高値を示した。一方で、いずれの食事でも食後12時間までに基準範囲内の水準にまで低下した。血清T-Cho濃度は、いずれの食事でも食後の上昇は認められず、全ての時間帯において食事の差異による有意差も認められなかった。高栄養食では血清TG濃度を長時間にわたって上昇させることから、日常的な高栄養食の給与によって慢性的な高TG血症を引き起こす可能性が示唆された。

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