書誌事項
- タイトル別名
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- シンコウ ニ カカワル ブンカテキ ケイカン ノ リョウイキカ ニ カンスル ケンキュウ : セカイ イサン 「 リュウキュウ オウコク ノ グスク オヨビ カンレン イサングン 」 ノ コウセイ シサン 「 サイジョウ ミタケ 」 ノ ゾーニング オ テガカリ ニ
- Research on Zoning of Cultural Landscapes Related to Religion : Verification on the Zoning of “Sefa Utaki”, a Component of the World Heritage Site “Gusuku and Related Properties of the Kingdom of Ryukyu”
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説明
現在の諸処の開発を制御する計画においては、具体的な領域を設定することが不可欠となっているが、人々の信仰のような動的な要素に関わる文化的景観を保護する目的においては、地域の実情と計画との乖離が起こりやすいことが予想される。そこで、本研究では、信仰に関わる文化的景観の事例である世界遺産「斎場御嶽」を対象に、世界遺産申請時点の遺産及び緩衝地帯のゾーニングと、世界遺産登録後の各種計画で設定された遺産に関係する領域のゾーニングを照合することで、世界遺産としてのゾーニングの妥当性を検証し、これを基に信仰に関わる文化的景観を領域化する試みの課題を考察した。検証により以下の3点が確認された。一に、所有、利用、地形などの土地の状況や事前調査の不足などによって本質的な遺産の範囲を明確にできないままで登録が行われることが起こりうる。二に、緩衝地帯のゾーニングにおいて、信仰という人々の内面的な要素での線引きは難しく、その時点での住民の合意形成や既存の都市計画規制を基に緩衝地帯の境界が定められるが、その境界についての意識は登録後の追跡調査や地域の状況によって変化する。三に、緩衝地帯が「当該資産をどのように保護するのか」推薦書に明示が行われないままにゾーニングが設定される場合がある。以上の3点から、特に文化的景観としての広がりを考えると、斎場御嶽の世界遺産としてのゾーニングは遺産、緩衝地帯共に十分であったとは言い難い。しかし、国内の制度を用いて適切な保護の網を設定できるのであれば、世界遺産としての緩衝地帯の新たな設定のハードルは高いものではない。重要なのは、世界遺産登録時に設定されたゾーニングを権威的・固定的なものとはせず、国内の制度を活用した実質的な保護の網を柔軟に見直していくことである。
収録刊行物
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- 人と地域共創センター紀要
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人と地域共創センター紀要 34 1-18, 2025-03-21
徳島大学人と地域共創センター
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キーワード
詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1050867133847507456
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- NII書誌ID
- AA12890261
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- ISSN
- 24352195
- 24351822
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- NDL書誌ID
- 034115697
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- 本文言語コード
- ja
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- 資料種別
- departmental bulletin paper
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- データソース種別
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- IRDB
- NDLサーチ