書誌事項
- タイトル別名
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- Verification of the Effects of Animals on Humans - Influence of Viewing Videos of Pets on Electroencephalogram Potential -
- ドウブツ ガ ヒト ニ オヨボス コウカ ノ ケンショウ : ペット ドウガ シチョウ ニ ヨル ノウハ デンイ ノ エイキョウ
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説明
本研究は、近年社会問題となっている不登校児童生徒へのアプローチ法の一つとして注目されている動物介在活動(Animal Assisted Activity.以下、AAA)において、実際に動物が人にどのような効果を及ぼすのかを知ることが目的である。研究方法として、本学作業療法学専攻学生計33 名を対象に、動物の飼育経験の有無や動物と触れ合うことの効果等に関するアンケート調査を実施した。まず、アンケート結果より、対象者の中から3 群各2 名計6 名を抽出し、猫の動画視聴時の脳波検出を実施した。その後、刺激前後の脳波電位及び、主観的なアンケート回答との関連を算出し因子分析した結果、動物との触れ合いで得られる効果としては、充足感、緊張が和らぐ、癒し、リラックス等が多かった。脳波ではA 群とB 群に比べてC 群において、視聴中ではθ波が低値となり、á2 波は高値を示した。動画視聴後の主観的気分アンケートでは、A 群とB 群では緊張が和らぎ癒されたとの回答であったが、C 群では気分の変化を示したものはいなかった。 よって、日常生活において実際に動物と触れ合っていることが、緊張や不安といった心理状態の安定につながっていると推察された。なお、不登校児童生徒問題の解決策の一つであるAAA が、着目されている理由として、当事者からみたペットの存在意義が高い場合、ペットが家族との関係性の再構築に重要な役割を果たし、引きこもりから脱却させるきっかけになっているのではないかと考える。
収録刊行物
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- 大阪河﨑リハビリテーション大学紀要
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大阪河﨑リハビリテーション大学紀要 17 90-96, 2023-03-31
大阪河﨑リハビリテーション大学