地域包括ケアネットワークとしての病院組織

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タイトル別名
  • チイキ ホウカツ ケアネットワーク ト シテノ ビョウイン ソシキ
  • The Community-Based Integrated Care Network as Hospital Organization

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抄録

人口減少,少子高齢化を背景に,地域社会での人と人との相互扶助機能が低下している日本では,病院組織のミッションの見直しが求められている。本稿の目的は,経営組織論の視点から病院を捉え,病院組織が地域包括ケアネットワークのなかでどのように役割を果たし,地域社会に貢献していくかを明らかにすることである。医療専門職が協働する病院組織の特徴をふまえ,プロフェッショナルによるオープンネットワークによって,病院組織のミッションを果たしていくことを提案した。ネットワークによるフラットさ,柔軟性,水平的な連携,ボーダーレスな結合,自己革新能力の高さという特徴を活かすことで,「異質な職業ユニットの集合体」「病院組織に存在する階層意識」「医療専門職の自律性」がもたらす病院のプロフェッショナル間の組織的課題に対応できる。さらに,異質な知識,新しい情報,多様な人材などの交流によって新しい発想や気づき,新たな治療やケアの創出にもつながる。地域包括ケアネットワークによる社会では,人と人,人と資源をつなげ,地域住民や地域に存在する多様な主体の能動的なネットワークがみられ,共生社会の実現に貢献することが期待できる。

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