アリの営巣観察のための新型アリ飼育容器の開発

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タイトル別名
  • Newly developed container to observe behavior of ants

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説明

アリは身近な昆虫であり、小学校の自由研究などで多く取り上げられている代表的な昆虫である。アリが地下に穴を掘って営巣する様子を観察するには、自作した飼育容器や市販品が用いられる。しかし、容器内で穴を掘らない場合が多いことや、市販の容器は高価であるという課題もある。そこで、アリが営巣しやすく、小学校で扱うことが容易で安価に作成できる飼育容器を開発した。この容器の特徴は容器内の地上面積を広くしたことにある。この容器で営巣を観察できるアリの種類や投入個体数について、三重大学構内で採集した14種を用いて調べた。その結果、トビイロシワアリとクロナガアリではすぐに営巣がみられ、30日間は生存し、飼育容器に投入する個体数は20個体が最適であった。飼育過程では、営巣の様子のみならず、摂餌の様子や仲間への給餌行動や仲間の死骸を一か所に集めることが観察された。この飼育容器を「不思議の国のアリ巣」と名付け、科学イベントで紹介したところ、昆虫の嫌いな児童でも関心をもつなどの反応が得られたことから、小学校における教材としても有用であると考えられる。

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