中生の晩熟期で高温耐性,多収良食味水稲新品種「実りつくし」の育成

書誌事項

タイトル別名
  • 'Minoritsukushi', a new rice cultivar with medium-late maturity, high yield, fine palatability and tolerance to high temperature during ripening period
  • チュウセイ ノ バンジュクキ デ コウオン タイセイ,タシュウリョウ ショクミ スイトウ シン ヒンシュ 「 ミノリツクシ 」 ノ イクセイ

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抄録

水稲新品種「実りつくし」は,中生の熟期,高品質,良食味品種の育成を目的に,中生,多収,高温耐性(高温登熟条件下における玄米外観品質低下に対する耐性),良食味の「西海250号(後のにこまる)」を母,早生,多収,高温耐性,良食味の「ちくし64号(後の元気つくし)」を父として人工交配を行った組合せに由来する。「実りつくし」の特性を「ヒノヒカリ」と比較すると,出穂期および成熟期は5~7日遅く,熟期は‘中生の晩’に属する。稈長は同程度で,穂長はやや長く,穂数はやや少ない‘偏穂重型’である。収量性は多収で,玄米千粒重は重い。玄米外観品質は,心白や乳白の発生が少なく良好で,検査等級は優れる。炊飯米の食味試験結果は,外観,味が良好で粘りがあり,総合評価は「ヒノヒカリ」より優れる良食味である。高温耐性は‘強’で「ヒノヒカリ」より優れる。いもち病圃場抵抗性は葉いもちが‘弱’,穂いもちが‘やや弱’,穂発芽性は‘中’である。本品種は2015年3月に種苗法による品種登録出願がなされ,同年3月福岡県の準奨励品種に採用された。

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