市販の園芸用土を用いたオオムギの酸性土壌耐性評価法の開発と県内普及品種の品種間差

書誌事項

タイトル別名
  • A simple evaluation method for acid soil tolerance in barley using commercially available soil materials
  • シハン ノ エンゲイヨウド オ モチイタ オオムギ ノ サンセイ ドジョウ タイセイ ヒョウカホウ ノ カイハツ ト ケンナイ フキュウ ヒンシュ ノ ヒンシュ カンサ

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抄録

オオムギの新品種育成において,酸性土壌で発生する生育障害に対する耐性の付与は重要な育種目標であり,酸性土壌耐性を簡便に評価できる選抜手法が望まれる。そこで,園芸用土を用いて調製した配合土による酸性土壌耐性の評価を試みた。市販の園芸培土とピートモスを10:2の質量比で混和した配合土はpHが4.5程度となり,この配合土10kg当たりに粒状苦土石灰を72g混和すると配合土のpHは6.0程度となった。これら2種類のpHの異なる配合土で,酸性土壌感受性とされる「Morex」と,福岡県内で普及している酸性土壌耐性が不明のオオムギ7品種を評価したところ,pHが4.5程度の配合土で「Morex」を含む6品種は根部伸長が抑制されたが,「しゅんれい」と「イチバンボシ」の2品種は抑制されなかった。根部伸長が抑制された6品種と抑制されなかった「しゅんれい」は酸性土壌耐性に関与するDNA多型が「Morex」と同様の感受性型であったが,「イチバンボシ」は耐性型とされるDNA多型を示した。以上の結果から,調製した配合土によりオオムギ品種・系統の酸性土壌耐性程度を評価できることが示唆された。この配合土による評価法は,配合土の調製方法や栽培管理が簡便で,播種後から短期間で評価できることから,オオムギ新品種の育成過程において活用できる。

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