2019年朝鮮民主主義人民共和国社会主義憲法改正に関する若干の考察

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タイトル別名
  • 2019ネン チョウセン ミンシュ シュギ ジンミン キョウワコク シャカイ シュギ ケンポウ カイセイ ニ カンスル ジャッカン ノ コウサツ
  • Some Consideration on the Amendment of the Socialist Constitution

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抄録

2019年、朝鮮民主主義人民共和国は2016年憲法を2度修正補充(改正)した。1回目は4月、2回目は8月である。1年に、それも4か月足らずで改正するのは極めて異例である。筆者は、昨年10月に訪朝し、朝鮮社会科学院法律研究所室長と憲法改正について意見を交わした。本稿では、その時に提起した幾つかの問題のうち3点だけを紹介している。本文は、2回の憲法改正点を論じている。4月の改正で特徴的なことは、金正日時代の統治方式である「先軍政治」を削除したことである。また国家の指導思想を「チュチェ思想、先軍思想」から「金日成-金正日主義」に改めた。同時に経済の「情報化」「科学化」を強調し、「科学研究部門への国家的投資」の増大を規定した。これらは、金正恩時代における経済建設重視路線への戦略的転換を意味している。8月の改正では、国務委員会委員長の法的地位と権能について4月改正を補充している。これは、国務委員会委員長である金正恩の地位と権限の強化である。本稿では資料として、2019年8月に改正された憲法全文の翻訳を掲載した。

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