遺伝性血管性浮腫I型を引き起こすSERPING1遺伝子のミスセンス変異によるdominant-negative効果の証明
書誌事項
- タイトル
- 遺伝性血管性浮腫I型を引き起こすSERPING1遺伝子のミスセンス変異によるdominant-negative効果の証明
- タイトル別名
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- Evidence for a dominant-negative effect of a missense mutation in the SERPING1 gene responsible for hereditary angioedema type I
- イデンセイ ケッカンセイ フシュ Iガタ オ ヒキオコス SERPING1 イデンシ ノ ミスセンス ヘンイ ニヨル dominant negative コウカ ノ ショウメイ
- 著者
- 安野, 秀一郎
- 学位授与大学
- 山口大学
- 取得学位
- 博士(医学)
- 学位授与番号
- 医博甲第1641号
- 学位授与年月日
- 2022-03-16
説明
遺伝性血管性浮腫(hereditary angioedema:以下HAE)は、全身の様々な部位に突発性、一過性の浮腫を生じる稀な常染色体優性遺伝性疾患である。HAEは、C1 inhibitor(C1INH)をコードするserpin family G member 1(SERPING1)遺伝子の変異により生じるHAEI型およびII型、SERPING1遺伝子以外の遺伝子異常を認めるHAEIII型(HAE with normal C1INH)の3つに分類される。これまでに、SERPING1遺伝子においては多数の病的変異が同定されているが、各変異によるHAEの発症機構については未だ十分に解明されていないのが現状である。 本研究では、以前に我々が報告したHAE I型の患者に同定されたSERPING1遺伝子のミスセンス変異c.449C>T(p.S150F)に関して、詳細な発現・機能解析をin vitroレベルで行った。まず、p.S150F変異型C1INHは細胞内では安定して発現するが、細胞外には全く分泌されないことが示された。次に、変異型C1INHが野生型C1INHの分泌を強力に阻害することが明らかになった。さらなる解析で、野生型C1INHは変異型C1INHとの相互作用によって細胞質内に留め置かれてしまうだけでなく、分解も誘導されることが示唆された。本研究によって、p.S150F変異型C1INHは野生型C1INHに対してdominant-negative効果を発揮することが証明され、それが本遺伝子変異によるHAE I型の主要な発症メカニズムと考えられた。
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1910865335623026816
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- NII論文ID
- 500001521536
- 500001902011
- 500001542858
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- IRDB
- NDLサーチ